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2008年 01月 11日
ご存じ、イギリス社会福祉政策スローガン。教科書に載っていましたね。
今日はいつか書きたいと思っていたイギリス医療制度を簡単にご紹介(でもかなり長文になりそうなので、お暇な時にどうぞ)。 イギリスの医療サービスはNational Health Service(NHS)と呼ばれていて、分かりやすく言うと日本の国民健康保険制度のようなもの。日本と大きく違うのは、基本的に医療にかかる自己負担がなく、病院に「会計」コーナーが存在しない点。(ただし薬の処方箋は1件1500円程度かかります。)もう一つ日本と違うのは、一般家庭医(General Practitioner=GP)の存在。日本では、患者自らが行く病院を決め、体調が悪ければその日のうちに大学病院で専門医に診てもらうことも可能ですが、イギリスでは居住エリア内のクリニックの中からかかりつけのGPを決め、患者として登録(引越したらすぐGP登録!)。体の不調に関してはまずGPに診てもらい、風邪など重篤でない病気の場合にはGPが薬を処方したり簡単な検査なども行います。深刻な病気と思われる場合やGPが判断できない場合に、GPからNHS経営の公立病院の専門医に紹介してもらう仕組みなので、最初から患者の判断で専門医に診てもらうことはできません。GPに自分の命、かかってます。 タダと聞くと「ゆりかごから墓場まで」も納得!と思いきや、このNHSシステム、なかなかのクセ者。高校生の頃ホームステイしていたお宅でホストマザーが具合が悪そうだった時「お医者さんに行かないの?」と聞いたら、ホストファーザーに「風邪で医者に行く人なんてイギリスにはいないよ」と大笑いされました。冗談かと思ったら本当でした。 NHSは常に人材不足と言われておりGP予約はなかなか取れません。その日に予約が取れたらかなりラッキー。例えば、風邪気味だけどひどくなる前にお医者さんに・・・と思ったとしても、予約が取れるのが一週間後だったりすると「それまでに自然治癒するかな」と思います。大抵のイギリス人は薬局で風邪薬を買っておしまい。ちなみに私がクリスマス前に腹痛でGPに電話を入れた時も「いちばん早くて予約が取れるのは3日後です」と言われました。結局その時は妊婦ということで緊急扱いとなりすぐ診てくれましたが。 余談ですが、ここ最近ノロウィルスが猛威を奮っているイギリス、先日ニュースでNHS関係者が視聴者に言った言葉にビックリ。 「吐き気や下痢の症状が出ている皆さん、ノロウィルスは感染力が非常に高いです。これ以上の感染者を出さないために家から出ないでください。 GPに行かないでください」 なんのための医者なの~?! (TOT) このNHS、予約がなかなか取れず必要な時に医療サービスが受けられないのでは無料と言っても意味がない。で、この不満に応えるべく近年導入されたのが、NHSダイレクト(24時間電話サービス。緊急の医療相談を看護師や医師が電話で受け付けている)とNHSウォークインセンターという制度。ウォークインセンターでは予約なしで診察・治療を受けられるけれど、到着順診察が原則なので何時間も待つことも。何週間も待つよりはいいのかもしれないけどね・・・。 ちなみに、ユミ夫は「NHSは無料」と言うと猛烈に異議を唱えます。これはNHSが国民の税金で賄われているからで、彼にしてみれば毎月お給料から相当の割合をNHSに払っている!ということです。 GPの予約も取りにくいですが、GPから紹介を受けて行く公立病院もしかり。患者の診察・検査・手術・入院なども、一部負担はあるものの基本的に無料。ただし予約が取れるまでの待ち期間が長く、週単位はざら。病院での精密検査にGPから紹介状が出され、予約が取れた6ヶ月後には、症状が進み手遅れだった・・・という話もざら。ロンドン永住組の日本人社会では「何がなくとも健康第一。ここで重篤な病になったらアウト」というのが共通意識のようでして、ちょっと恐いです。 イギリスは日本のように予防医学の考えも浸透していないのか、以前「今まで毎年健康診断を受けてきたので、念のため諸々の検査を受けに病院に行きたい」とイギリス人看護師に話したところ、即却下。 「どこも具合が悪くないし症状もないのに、わざわざ悪いところを探しに行くってどういうこと?」。 この国では、自覚症状が出てからじゃ遅い、という考えは皆無なのね・・・。 今まで散々NHSの文句を言って「日本のほうが100倍いい!」などと言っていたワタシですが、にんぷになってみると、甚だ自己中ではありますがNHSが有難く思える時もあります。何と言っても、初診から毎月の健診、諸々の検査、入院、出産にかかる費用一切が無料であるだけでなく、妊娠→出産後1年程度は歯医者も処方箋も無料(ユミ夫の異論が聞こえてきそうですが)。 そして、出産後はヘルスビジターと呼ばれる人が自宅まで来て産後のアドバイスをしてくれたり、というサービス付き。ただし、妊娠中の超音波検査が2回(12週&20週)しかないとか、出産時の入院が通常1泊(早い人で産後6時間で退院です)だったりしますけど。でも、こどもを産むということに関して経済面の心配をしなくてすむという事実には、やはり感謝すべきなのでしょう。 でもでも 「こんなんあり得ない~」と思うことが海外では当たり前。こうして日々NHSの恩恵に与っているワタシも、この7ヶ月様々な経験をしてキレてしまったり、怒りを通り越して笑っちゃったりの連続です。これは、またの機会にゆっくりと・・・ ←最近、鉄分不足が顕著になり、GPで鉄剤を処方してもらいました。 これもにんぷには無料だそうで、ハイ、ありがたやありがたや~。 #
by london_note
| 2008-01-11 05:52
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2008年 01月 02日
◇◇◇あけましておめでとうございます◇◇◇
年末はユミ夫実家に10日間滞在。25日のクリスマスディナーは近所のパブでターキーでした。義母からは「この子、食べて寝てばっかり」と思われていたに違いないのですが、私本人としては義母の用事・家事を手伝ったり連日出掛けたりフル回転、大晦日の夕方ロンドンに戻ってきた時にはエネルギー残量ゼロでした。 10日間こってりイギリス食だったので、31日夜は年越し山菜蕎麦「大盛り」。そして年越しカウントダウンをする気力もなく、夜11時には就寝。年越しイベントに行ったり明治神宮に並んだりしていた頃は遥か昔。12時過ぎに外で花火の音がしてましたが、起きて観る気も起きず「あー、静かにしてくれぃ」と寝ながらブツブツ・・・。すっかり中年の域?いや、まだまだ。 元旦は三越デパートで注文したおせち料理。お弁当屋さんの使っている入れ物と変わらない容器に入ってまして、二人前で£43(9,500円前後)。ユミ夫の「高いぃ~」と驚く顔に、自分で作れるようになりたい・・・と思いました。海外にいるからか、日本では好きでなかったおせち料理も「大好き」になり、このおせちは元旦ブランチとして完食。 ちなみにこちらは、北京にいた2006年新年に、国際倶楽部飯店の旬彩という和食レストランで注文したもの。きちんとお重に詰められたおせち料理は超豪華でした~。 そしてもちろん、おせち料理の他にお雑煮。お肉無しでお野菜とお麩でヘルシー、と言いたいところですが、おせち料理とお雑煮でかなりのボリュームのブランチ。お昼過ぎから外出しようと思っていたのですが、食べすぎで気分が悪くなり、結局寝正月。一年の計は元旦にあり、と言うけれど、出だしからこれなので先が思いやられる。でも私らしい年明け。(初開き直り~) ちなみにお雑煮にプカリプカリと浮いているのは、フリーズドライのゆず。大晦日のジャパンセンターで見つけ、大喜びでゲットしました。フリーズドライでも香がよく、「和」テイストが加わって幸せな朝でした。 イギリスでは新年に「What is your new year's resolution?」(新年の抱負・目標は?)と聞くのがお決まり。私たちも毎年考えてましたが、今年はなんと「何もなし」ということに。いいんでしょうか~。春にミニユミが登場予定ではありますが、その後もファミリーとして超多忙な年になる見込みで、「もうとにかく、日々を元気に乗り越えていければよし」ということで落ち着きました。 というわけで、今年もよろしくお願いします。 #
by london_note
| 2008-01-02 21:51
| events
2007年 12月 19日
12月に入ってクリスマスイベントがぱらぱらと。 先日はちょっとかしこまったクリスマスパーティーに出席。シャンパン・ワイン、お寿司のトレーを持った給仕さんたちが会場を回り、出席者は立食(飲)で2時間ほど。身重のワタシとしては「立ちっぱで疲れちゃうよー」とか「シャンパン飲めないよー」とか「お寿司が少ないよー」とか、もう散々な我儘コメント連発でしたが、なんだかしっくりこなかったのは、クリスマスパーティーというよりも忘年会カラーが強かったからか。(会場ではほろ酔いの日本人ビジネスマン多数発見) それから、教会のクリスマスキャロルにも行き、家のキッチンロールとトイレットペーパーもクリスマス仕様に替え、なんとか「クリスマス」を感じようと、くだらぬ努力を重ねてみました。いまだ引越し荷物を倉庫に預けっぱなしなので、北京で買ったクリスマスツリーは冬眠中。(えーと、いつまで、冬眠になるんでしょうね。次の転勤まで?来年のクリスマスにはツリーを出したいけれど。) クリスマスはど~こ~へ~? と自分の中では大いに盛り下がっていた今年の12月。ここへきて、週末に招待された知人宅で、ようやくクリスマスモードにスイッチが入りました。 多くのイギリス人がするように、彼女も自宅でのクリスマスパーティーにMulled Wineと Mince Pieを用意。 Mulled Wine(左)とSpiced Apple Punch(右)はイギリスのクリスマスに欠かせないドリンク。 Mulled Wineは、赤ワイン、水、オレンジ、クローブ、オレンジ・レモンスライス、ジンジャー、シナモンスティックを大きなお鍋で温めていただきます。アルコールが飛んでしまうので沸騰させないよう注意が必要ですが、イギリスのホームパーティーではホストがキッチンにかかりっきりになることはなし。ゲストが入れ替わり立ち替わりお鍋の中を覗き、ワインを足してかき混ぜたりしていました。体がポカポカに温まるこのワイン、私は10年ほど前に初めてクリスマスパーティーで口にし、甘くてアルコールを感じさせないのでワインと知らずに底なしに飲み、そのクリスマスパーティーの帰路→翌朝目覚めるまでの記憶がありません。恐ろしい?飲み物でございます。 今回はアルコール無のSpiced Apple Punchを楽しみました。アップルサイダーにリンゴ、シナモンがたっぷり。これもお鍋で温めていただきます。甘いです。 Mince Pieは、レーズン、サルタナ、アプリコット、チェリー、リンゴ、レモンピール、様々な種類のナッツを細かく刻み、ナツメグやシナモンなどスパイスを加え、ブランデー(ラム)と砂糖で煮込んだ「ミンスミート」ぎっしりのパイ。英語でミンスミートと呼ぶけれど、お肉は入ってないです。ミンスパイには「星」をつけるのが伝統で、このお手製パイにも☆。味は、これまた半端じゃない甘さ! でも、こうして甘いミンスパイと温かいドリンクを手にたくさんの人たちとおしゃべりし、ようやくクリスマスシーズンを実感しました。 結局、私が言う「クリスマスモード」って、「食」なのかも。 やっぱり~って感じですが、今週末からは義母宅でクリスマスホリデー。イギリスでのクリスマスは「食べる・飲む・TV・ゲーム・昼寝」で、まさに家族で引きこもりそうな勢い。食べ過ぎに注意です・・・ #
by london_note
| 2007-12-19 00:43
| events
2007年 12月 11日
今回は写真撮りました。
セロリ・白菜・生姜・コリアンダー にら・たまご 30個もの餃子。水餃子の場合は特に粉から練ったほうがモチモチ感が出てよいのですが、市販の『餃子の皮』。北京で中国人の方に作り方を伝授していただいたのに・・・ これだけ横着したにもかかわらず、具を刻むのに何故にこんなに時間がかかっているんだろう、ワタシ。沸騰したお湯に落していき、上がってきたら即いただき~。 見栄えはイマイチ、味は悪くなかったです。お酢はチャイナタウンのスーパーで購入したもの。水餃子なのでお醤油はパス。にんにくを刻んだものを添えていただきました。 #
by london_note
| 2007-12-11 05:39
| food & drink
2007年 12月 05日
イギリスのいたるところでイルミネーションがキラキラ輝くこの季節、注目は、ロンドン一の目抜き通りリージェントストリートのクリスマスライトアップです。
2002年 2006年 今年。 え?これかいー? 飾り付けの準備段階を見ていて「まさかあの丸い電球みたいのにライトがついておしまい、ってことはないよねー」と思っていたら。 おしまいだった・・・。 リージェントストリートのクリスマスライトアップは、スポンサーで毎年カラーががらりと変わります。去年は映画の宣伝だったようだし、以前私がロンドンに暮らしていた1998年は 「Tango」という炭酸オレンジジュースの会社がスポンサー。ビミョウに品のないオレンジ一色で目がチカチカしたっけ。 今年のはモダンなデザインで、周囲ではけっこう好評なんです・・・ ちなみに、スポンサーはNokia。そしてこの電球は単なる電球ではありません。リージェントストリートを道行く人々の人口密度、その時のお天気などによって、色が七変化。私が写真を撮ったのはある日の夜11時頃で、ピンクやオレンジのグラデーションでしたが、きのうの夕方は緑や青系の色でした。 #
by london_note
| 2007-12-05 23:57
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